専門外来のご案内
最近の医学の進歩は著しく、今まで治療ができないと言われていた病気も治療ができるようになってきました。
眼科においても同様で、新薬やレーザーの進歩により、積極的な治療方法が開発されています。
加齢黄斑変性症や緑内障は、中途失明の原因でも上位であり、視力が良好であった人がだんだんと視力が落ちていく怖い病気です。
そこで、溝口眼科ではこの最新の治療を専門に行っていき、佐世保の地でも世界レベルでの治療ができる病院としてスタッフの充実と専門性が高い検査機器を準備し、積極的な治療ができる環境を整えました。
また、近年、涙や目ヤニが止まらないとお困りの患者さんが意外に多く、平成26年度から「涙の専門外来」を開設しました。
加齢黄斑変性症の治療の特徴
抗VEGF抗体
抗VEGF抗体(ルセンティス・アイリーアなど)の硝子体内注射を実施しています。視力の向上が期待出来る最新の治療です。
坑血管新生薬であるルセンティスは、加齢黄斑変性症の治療の中で、初めて「視力維持」から「視力改善」が期待出来るようになった薬剤です。眼球内にほんの少し(0.05ml)注射します。当院でも多数の患者さんに行っています。(症例2)
ビズラスPDTシステム690S
光線力学療法(PDT)を行っています。この療法は、病変部に特異的に取り込まれる物質を点滴静脈投与した後に非発熱性レーザー照射を行うことで異常血管の閉塞を目指す治療です。
インドシアニングリーン
蛍光造影検査
フルオレセイン蛍光造影検査(FA)のみでは、脈絡膜の病変の描出ができません。そこで、更にインドシアニングリーン蛍光造影検査(IA)を行う事で脈絡膜の病変を描出し正確な診断を行います。その結果をもとに、正常部位以外の病変部のみを選択的に治療する方法(IAガイドPDT)を行っています。
インドシアニングリーン蛍光造影
脈絡膜異常血管網とポリープ状病変を認める。
網膜硝子体疾患
硝子体手術、レーザー光凝固術
黄斑前線維症、黄斑円孔、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、硝子体出血など、積極的に手術を行っています。
緑内障
「緑内障は手術ができない」と時々患者さんが言われる事があります。
点眼薬で不十分な時は、以下のような緑内障手術を主に行っています。
*アルコン・エクスプレス
ステンレス製のデバイスで、その管が規格化されているので、流れていく「眼の水」の量が予測可能であるのが特徴です。成績が良好で、しかも術後の合併症が少ないという報告も見られます。
アルコンⓇエクスプレスⓇ
緑内障フィルトレーション
デバイス(本体)
アルコンⓇエクスプレスⓇ
デリバリーシステム
隅角部より眼内にエクスプレスが挿入されている
*線維柱帯切開術
(トラベクロトミー)
*線維柱帯切除術
(トラベクレクトミー)(エクスプレス手術)
*トラベクトーム
1.5mmの極小さい切開層から手術を行います。
眼への侵襲が殆どなく、しかも良好な成績を得ています。
白内障
近年、白内障手術の技術や機械の進歩が著しく短時間で手術ができるようになり、その安全性も向上し、外来でも手術を受けていただけることが可能になりました。
日帰り手術の利点は、慣れた自宅で手術後を安心してすごすことができる事で、患者様にとっても大きなメリットとなります。
当院も多数の患者様を日帰り手術で行っており、特に問題となるようなこともありません。安心して受けていただけると考えています。
当院には入院設備もありますので、入院手術をご希望の方にも対応しております。佐世保市内や遠方にお住まいの患者様で、入院して安心して術後を過ごしたい方には1〜2泊入院していただいて帰宅してもらうこともできます。
イメージガイドシステムの導入
アルコン社
ベリオンイメージガイドシステム
白内障手術の精度と再現性を高めるシステムです。
測定モジュールで角膜屈折力と軸の測定、眼表面の特徴を把握し、眼内レンズの度数計算やトーリック眼内レンズ(乱視矯正眼内レンズ)による乱視矯正をプランニングします。
このシステムを用いて、術前に計画した角度通りにトーリックレンズを挿入し固定します。
超音波白内障手術装置
センチュリオン
白内障手術機器、超音波の力で濁った水晶体を砕き新しい人工レンズ(眼内レンズ)を挿入する機器です。
従来の装置に比べて、イメージガイドシステムを利用する事により、より安全にかつ患者様の負担を最小限に手術ができるようになりました。
ドライアイ
ドライアイは涙の質のバランスが崩れることによって涙が均等にいきわたらなくなり、眼の違和感が増す病気です。
高齢化、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズの使用により患者様の数が増加しており日本でも2200万人いるといわれています。
ドライアイチェックシート
チェック項目が5つ以上あるようでしたらドライアイの可能性があります。
ものがかすんで見える
なんとなく目に不快感がある
重たい感じがする
目がかゆい
目が痛い
めやにが出る
光を見るとまぶしい
目が痛い
目が赤い
目が乾いた感じがする
涙がでる
目がコロコロする
ドライアイは様々な要因により涙が不安定になる疾患で、目の不快感や視機能の異常を生じ、目の表面に傷を伴うこともあります。
単なる一時的な不調と区別がつけにくいため、眼科医でなければ正しい判断・治療を行うことができません。
少しでも気になったら、当院にご相談ください。
M22を使った最新治療IPL(Intense Pulsed Light)
最近の研究ではドライアイの患者様の80%以上は MGDによる油分が足りないことが原因であるということがわかっています。
人間はまばたきをするたびに涙腺から水分が、マイボーム腺から油分が分泌されています。
水分を油分で覆うことで涙の蒸発を防ぎ、目の潤いを保っています。
目の潤いは水が足りなくなっても、油が足りなくなってもバランスが悪くなることでドライアイの症状を引き起こします。
当院では、油分を分泌するマイボーム腺の機能不全を治療するために
IPL治療機であるM22を導入しました。
涙の専門外来
目に溜まった涙は通常、目頭にある上下の管(涙小管)を通り「涙嚢(るいのう)」という袋から鼻に抜けていきます。 「涙が止まらない」という方の場合は、涙の排出路のどこかが、狭まったり、詰まったりすることが主な原因になります。 また、「目ヤニと涙がたくさん出る」という方は、涙嚢内にバイ菌が繁殖したことが原因で、炎症を引き起こしてしまう「涙嚢炎」の疑いがあります。
涙が止まらない場合
涙道閉塞が原因!
涙が止まらない症状は、主に「涙の排出路」のどこかが詰まっている時に起こります。 涙の道が閉塞または狭窄している為、うまく涙が流れず、悲しくもないのに、涙がこぼれ出てきてしまいます。 そのような場合には、涙管チューブ挿入術を行います。 1mmもないくらいの細い涙の管に内視鏡を入れて、閉塞している箇所を確認し、正確にチューブを留置する手術です。約2ヵ月後にこのチューブは抜去します。 これにより「涙の排出路」が広がり涙がよく流れるようになり、外にあふれ出ることはなくなります。また、涙嚢炎の予防にもつながります。
目ヤニがたくさん出て困る場合
涙嚢炎かも?
涙目をそのまま放置しておくと、「涙嚢」内に涙が溜まったまま不衛生な状態が続き、バイ菌が繁殖しやすくなります。 やがて炎症を引き起こし、膿(目ヤニ)が溜まり、慢性的に目ヤニが付着することになります。 このような涙嚢炎と呼ばれる症状には、「慢性涙嚢炎」と「急性涙嚢炎」があります。
慢性涙嚢炎の場合は痛みはありませんが、急にバイ菌が増殖すると、目頭が赤く腫れ、強い痛みを伴う急性涙嚢炎という状態を引き起こします。症状がひどい場合は角膜まで感染し、最悪失明することもある、危険な病気です。 そうなる前に手術して危険を取り除くことをお勧めします。
涙嚢炎の手術
皮膚を切開しない内視鏡手術
「涙嚢鼻腔吻合術鼻内法
(るいのうびくうふんごうじゅつびないほう)」
手術には皮膚を切開して行う手術と、鼻から内視鏡を入れて皮膚の切開を行わずにできる手術の2通りの方法があります。 当院で主におこなっている「涙嚢鼻腔吻合術鼻内法」は、鼻内視鏡を使って涙嚢と鼻をつなぐ手術で、顔の皮膚に傷をいれないため顔に切開後の跡が残ることはありません。術後の抜糸もない為、社会復帰も早く、 非常に成功率の高い 治療法です。
LipiView ドライアイ検査装置
1涙液油層の厚さ測定
LipiViewはナノ単位の光学干渉計技術を用い、角膜表面にある涙液層の油層の厚みを測定します。
2涙液の可視化
眼表面を動く油層の動画で涙液層を見ることができ、油層の厚みとドライアイの症状との関係について患者様の理解が深まります。
3瞬目状態の評価
検査中にパーシャルブリング(不完全なまばたき)を検知し、完全なまばたきに対するパーシャルブリングの割合を検出します。これにより、患者様のドライアイ状態に対するサポートを致します。
DR-1α ドライアイ観察装置
渉現象で涙液動態を観ます。
干渉縞の色調、油層の伸展状態・涙液層の破壊状況を観察できます。
非接触で角膜表面の涙液層の動態を観察でき、まばたきのタイミングと涙液層が破壊したタイミングとを指定することにより、涙液油層破壊時間(BUT)を算定できます。
BUTとは まばたきを止め、継続して開瞼すると涙が角膜上を覆っていない部分が出現し次第に拡大していく現象をいい、ドライアイ診断の有効的な手段一つです。
AS-28 実用視力検査装置
通常の視力検査とは異なり、一定時間(30秒~60秒)連続的に応答していただくことによって日常的に見えている見え方、いわば平均視力を測定できます。
ドライアイの場合、眼の表面の涙液が不安定なため、まばたきするたびに見えかたが変わり実用視力が低下する場合があります。