検査について

ハンフリーフィールドアナライザー(HFA II 745)

緑内障の診断や経過観察に威力を発揮する静的視野計です。スク リーニングテストと精密閾値テストを区別して用います。最新のソフトウェア を装備して、早期緑内障の視野障害の検出能力が高い装置です。これらのデータを HFA II 745専用の統計解析パッケージソフトウェアSTATPACを用いて解析し ます。これは緑内障の経過観察用プログラムとして高い評価を受けています。正常者の視野データベースとの比較を各検査点毎に行い、緑内障による視野障害を判断していくプログラムです。この中には、緑内障の視野障害の進行の有無を評価する時に有効なGPA(Glaucoma Progression Analysis)、ブルーイエロー視野測定プログラムなどの最新のプログラムが搭載されています。

1:GPA。これは緑内障の経過をみていく上で需要なソフトウェアです。一般に緑内障では、視野の測定を年に数回行って、悪化しているのか悪化していないかを判断していきます。しかし、その視野測定自体が時間がかかり検査による疲れや、その時の体調でかなりブレがあるのも事実です。そこで、このような場合にこのプログラムの威力が発揮されます。つまり、このGPAはこれらのデータが視野測定緑内障による視野欠損がばらつきの範囲内か、真の緑内障の視野進行か否かを各検査点毎に統計学的に解析し判断するもので、進行がみられる場合は、シンプルなメッセージで警告を発するプログラムです。これにより、各個人にあった治療を選択する時の重要なデータを得ることができます。

2:ブルーイエロー視野(SWAP)特定の高輝度の黄色の背景に短波長の青色指標を呈示して行う視野検査です。とくに早期緑内障の発見に威力を発揮します。従来の白色光で行う検査よりも数年早く検出可能であるといわれています。しかし、この検査は時間がかかり、年齢の高い患者さんには測定時に疲れてしまって、正確なデータがとれないこともよくみられます。このような場合には、この装置に搭載されている最新のSITA-SWAPのプログラムを用いて行います。これは、従来のブルーイエローにSITAの効率的な技法を組み入れた検査方法で、従来のSWAPより約1/3の時間、つまり3~6分で検査が終了します。これにより、効率的に精度の高い視野を測定できるようになりました。

ハンフリー静的視野計のデータ

典型的な緑内障の視野欠損です。右眼の鼻側上方の視野欠損を認めます。半分より下方の視野は正常です。このように上半分と下半分とで、きれいに異常の有無が分かれるのが特徴です。

左眼の鼻側にごく軽度の視野異常を認めます。

両眼の視野の経時的な変化を並べたものです。このように時間列に並べれば悪化の経過が一目瞭然に判る事もあります。

視野のレベルを数値として表したものを、経時的にグラフとして表したものです。前のものより、グラフにすることで、軽度の悪化も見逃す事はありません。